プレゼントイメージ

母からの誕生日プレゼント体験

私と母は同じ誕生日です。
母は、自由で子どもっぽいところのあるかわいらしい女性で、私のことを子どもの時から、子ども扱いなんてしないような母親でした。
私が幼稚園の頃、母から「私とあなたは同じ誕生日なんだから、お互いお誕生日プレゼントはやめようね」と言われました。
幼い私は「そうしよう」と変に納得して、お互いお誕生日プレゼントは廃止になりました。
それは、私と母との二人の約束でもありました。
けれども、毎年、誕生日だから、女二人でレストランに行こう、二人で旅行に行こう、と二人の記念が毎年毎年積み重なりました。
幼いころから、それが当たり前になっていたので、私は不思議には思わなかったのですが、少しずつ大人になっていき、誕生日の過ごし方にまつわるエピソードを友人に話をするとみんな驚きます。
「そんなのかわいそう」「なにも買ってもらえないの」と。
あんまり友人が驚くのでこれは変なことかと思い、お誕生日のプレゼントがほしい、と母言ってみたこともありましたが、「お互いなしにしたよ」といつもの調子で言われ、来年のお誕生日にはどこに旅行にいくかとうれしそうに話をしてきました。
そんな自由気まま母が亡くなって15年が経ちました。
先日実家に帰った時のこと、父より「お母さんの日記を見つけたよ」と15冊のノートブックを渡されました。
中を見てみると、そこには私と過ごしたお誕生日旅行の写真や食事をしたレストランのパンフレット、見た映画の半チケットなどがスクラップされており、その日の出来事がとても詳細に記載されていました。
その時の母の気持ちも、私の表情もすべて。
私は胸が熱くなり、母と過ごした誕生日の様子をすべて思い出しました。
母から何かを教わったという記憶はないのですが、物を贈られることがすべてではないという、とても重要なことを母から教わったような気がしました。
母とは20年間しか一緒にいられず、お誕生日のお祝いをしたのは18年間だったのですが、母にはこの私たちの期間が最初からわかっていたかのように感じました。
そして、そのノートブックこそが母が私に残してくれたお誕生日プレゼントなのかもしれません。
私はその贈り物をとても大切に使用と誓いました。
そして今まで考えたこともなかったのですが、母と親子になれたことや、さらに誕生日が同じであることはほかに何にも代えられない奇跡であるということを知りました。
私もいつか子どもを持つことができたら、子どもに同じことをしてあげたい、そう思いました。

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